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病気のおはなし

肺結核

結核の治療薬について

 かつて、結核の治療といえば「安静、栄養のある食事ときれいな空気」の三つしかありませんでした。1944年、カビから作り出された抗生物質、ストレプトマイシンの登場を皮切りに、次々と有効な抗結核薬が開発され、現在では薬でほとんど完全に治せる病気となりました。今回は、結核の薬物治療について紹介します。


【薬物療法の実際】現在、抗結核薬として広く認められているものは10種類(内服薬7、注射薬3)あります。結核菌はしぶとい菌ですから、長期間の薬物治療が必須の条件です。しかもその間に菌が薬に慣れて抵抗力(耐性)を持つことがあるため、治療には作用の違う複数の内服薬を中心とした薬が使用されます。具体的には、抗結核薬による治療を初めて受ける場合、強力な抗菌作用を持つイソニアジド、リファンピシンにピラジナミド、さらにエタンブトールまたは注射薬のストレプトマイシンのいずれかを加えた4種類の薬を最初2ヶ月、続いてピラジナミドを除いた3種類を4ヶ月の合計6ヶ月間の薬物治療が基本となります。また、80歳以上の高齢者、あるいは重症の肝機能障害のある方では、比較的肝障害が多いとされるピラジナミドを除いた前述の3剤を9ヶ月間使用します。この治療により、治療開始2〜3週間で感染力がほぼなくなるまで排菌量が低下し、治療が順調に完了すれば、結核菌を完全に体内からなくすことはできないまでも再発はほぼ防ぐことができるといわれています。


 抗結核薬は長期間、継続した服用が必要なため、副作用の発現や他の薬との飲み合わせにも注意が必要です。一般に、発疹、かゆみ、食欲低下、肝機能障害、手足のしびれ等がおきても、軽度の場合、多くは経過を見ながら治療は継続されます。ただし、開始直後の発疹、発熱、嘔吐等のアレルギー症状や、継続使用中の重度の胃腸障害や肝障害、エタンブトールによる視力低下、ストレプトマイシンによる聴力障害等が生じた場合には薬の中止が必要となります。これらの症状の殆どは発現初期に薬を中止することにより回復しますので、治療中、体の変調等があればすぐに申し出るようにして下さい。


【正確に薬を継続することが大切】薬を途中で勝手にやめたり、飲んだり飲まなかったりしていると、結核菌を完全に消滅させることができないばかりか、先にも述べました薬が効かない抵抗力(耐性)を持つ菌を出現させてしまう恐れがあります。最近では、飲み忘れ対策として、特に胃腸が弱い人でなければ、1日1回朝に必要な量をまとめて一度に飲む方法が一般的になってきています。


 次回は「肺結核後遺症に対する理学療法」です。

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